|
「地元と歩んで二十年」 松竹亭梅々
一昨年秋に、全国の地域寄席との連携を計ろうということで『全国地域寄席連絡会』が発足し、長崎寄席も会員になりました。会では、昨年秋に会報作成のために各会員の寄席に関するアンケートを実施しました。その項目の中に特徴を書く欄があり、さて、長崎寄席の特徴は?と世話人同士話し合いました。
常連会制度を作り運営の安定化を画っている。番組に必ず色物を入れ、寄席スタイルにこだわっている。出演者を固定せず、世話人自ら様々な落語会へ足を運び、探してくる。などなどありました。
そして、なんといっても大きな特徴は「地域寄席」の名の通り、地域に密着し地域に支えられている寄席であることでした。
例えば、会報『長崎寄席だより』に地元商店より協賛広告を掲載してもらっています。また、ポスターを店先や玄関脇に貼らしてもらっています。他に、商店街の有線放送で毎日、寄席情報を流しています。
更に七月の寄席の後、会場の屋上で出演者やお客様との懇親が目的で始めたビアパーティでは、地元商店街がもっているパーティグッズ/パラソル、電球セット、大型クーラー、などを提供してもらいました。
こんな事もありました。約二年前のこと、今のひびきホールの前身太郎村ホールが改装工事に入った頃のことです。新しいホールは、音楽専用のホールとなるため、寄席には使えないらしい、という噂が流れました。
すると、地元世話人のもとへ、色々な方から情報が寄せられてきました。
『駅近辺にある会社の会議室が借りられそうだ』『社務所はどうだ』『どこそこにあるホールは使えそうだ』などなどです。
残念ながら実際には、狭かったり、使える曜日が指定されていたり、長崎寄席と名乗るには遠すぎたりと会場には不向きでした。
しかし、地元の皆さんにこんなにも注目されていたとは、世話人として涙が出る思いで一杯でした。こういう声が届くとき、正に地域寄席の世話人冥利に尽きると言うものです。
長崎寄席の元々のモットーに、地元の人々に手軽に寄席演芸を楽しむ場所を作っていこうという姿勢がありました。土曜の夕方、下駄履きでふらっと寄り落語を聞いたり、手品を見たりすることが出来れば、浮世の憂さも晴れるだろうと。
勿論、現在寄席に足を運んで下さるお客さんは、遠くは九州の長崎や、群馬県を初め、地元以外の方も大勢いらっしゃいます。世話人にしても、他区や隣県の者もいます。
長崎寄席は今年、二十年目を迎えました。今後も地元に支えられながら、地元以外の人々とも、共に手を携えながら歩んでいけたら、三十周年も四十周年も夢ではないでしょう。もっともその時、誰が世話人をやっているかは知りませんが。
(長崎寄席世話人) 「第114回長崎寄席だより」より
|